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【防災コラム】 : 火災に備える
火災で死者が出る理由
火災で死者が出てしまう理由は意外と知られていません。
「なぜ、火災で死者が出てしまうのか知っていますか?」と質問すると、多くの人は「焼け死ぬから」と答えます。
しかし、残念ながらそれは正しい答えではありません。

正解は「息ができなくなるから」で、火災で死者が出てしまうのは、煙にまかれて窒息してしまうことが原因で、建物火災による死亡者の8割が窒息が原因で亡くなっているのが現実です。炎で焼け死ぬということはほとんどありません。
それは、火災のメカニズムを考えればよく分かります。

有毒ガスに含まれるガス一覧 火災は、人のいない部屋で出火した場合に大きく燃え上がる場合がほとんどです。
人がいる部屋で出火したならば、直ぐに気づき初期段階で消火するなどの対応が可能ですが、人がいない部屋で出火した場合には、煙や異臭が充満してくるまで気がつかないことが多いでしょう。つまり、気がついたときには煙が充満してしまっている場合がほとんどのケースです。
煙が危険な理由は、煙には一酸化炭素をはじめ、塩化水素シアン化水素アンモニアなどの有毒ガスが含まれ、有毒な煙を吸い込むことで死に至る危険性が格段に高くなります。 特に様々な化学物質が身の回りに使われている現状を考えると、火災で発生する有毒ガスの種類も数多くなります。調査によると、一酸化炭素ホルムアルデヒドアンモニアベンゼン二酸化硫黄など10種類以上の有毒ガスが発生するとされています。

火災による死因について

火災発生による経過別死者発生状況 平成20年
平成20年中の火災における死亡に至った経過をみると、「逃げ遅れ」が792人で最も多く、全体の55.8%を占めています。その中でも「発見が遅れ、気付いた時には火煙が回り、既に逃げ道がなかったと思われるもの」が290人と最も多く、全体の2割を占めています。
また、住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く)を年齢別にみると、65歳以上の高齢者が60.5%を占めており、特に81歳以上が26.7%と極めて多くなっています。足腰が弱っているため逃げ遅れてしまうためで、高齢化社会に伴い高齢者の死亡割合は増加傾向にあります。
A:発見が遅れ、気付いた時は火煙が回り、既に逃げ道がなかったと思われるもの(全く気付かなかった場合を含む)
B:避難行動を起こしているが逃げ切れなかったと思われるもの (一応自力避難したが避難中、火傷、ガス吸引により、病院等で死亡した場合を含む)
C:判断力に欠け、あるいは体力的条件が悪く、ほとんど避難できなかったと思われるもの
D:逃げる機会を失ったと思われるもの
E:延焼拡大が早かった等のため、ほとんど避難ができなかったと思われるもの
F:出火時屋外にいて出火後進入したと思われるものを含む
G:着衣着火し、火傷あるいはガス中毒により死亡したと思われるもの