スモークブロック
【防災コラム】 : 火災に備える
防毒・防煙マスクの必要性
前章までの内容から、火災に遭った場合には有毒ガスへの対策が最も重要であることがお分かりになったかと思います。

火災では、炎が天井まで及んでいなければ初期消火を行いますが、もし、すでに天井に燃え移ってしまっていれば、速やかに避難し、消防隊に任せるしかありません。 初期消火を行うにしろ、速やかに避難するにしろ、どちらの場合においても、防毒・防煙マスクの必要性が高いことは事実です。
なぜなら、無味無臭の有毒ガスが発生している可能性があるため、その状況下で何の装備もないまま消火・避難することは危険性が高く、自身の生命を危険にさらすことになるからです。
ある火災の生き証人の証言によれば、火災発生の数分後には煙で視界が遮られていたそうで、少しでももたついていると有毒ガスを含んだ煙に巻き込まれ、死亡する危険性が格段にアップします。

また、実際に燃え上がっている炎を消火した経験がないため、どのように消せば良いのか分からないのが一般的で、いざ消火しようとしても、炎の放射熱が熱すぎておそらくは近づくことすらできないでしょう。
たとえ、熱さに耐え炎に近づけたとしても、消化液を吹きかけた際に熱や炎が吹き返してくるため、何の装備もなしでは満足に火を消すことは難しいでしょう。
日頃から訓練している消防士でも、「何の装備もなしに、消火器だけで火を消すことは難しいだろう」と言う意見を耳にします。

有毒ガスや煙が発生している中、パニックを防ぎ、冷静に消火、あるいは避難するためには、防毒・防煙マスクは必需品といえます。特に初期消火活動を行うためには、顔を覆うフルフェイスタイプがなければ難しいでしょう。
また、炎や煙の恐怖、熱さや呼吸困難など劣悪な状況の中で避難誘導を行わなければならないため、避難を先導する人にもフルフェイスタイプが好ましいと言えます。家族や従業員・お客様の生命を預かる以上、冷静な判断と的確な指示を行う必要があります。そのためには、誘導責任者が生命の危機を回避できるような装備を身につけることが必要です。

以上のように、火災に遭遇した際に生命の安全を確保し大切な財産を守るためには、防毒・防煙マスクを装備することが重要です。
中でも責任ある立場にある場合や、初期消火活動をきちんと行うためには、フルフェイスタイプのマスクが必須となります。