スモークブロック
【防災コラム】 : 火災に備える
様々なシチュエーション
では、どのような場合に防毒・防煙マスクが必要になるのでしょうか。
火災と言っても様々なケースが想定されます。具体例をいくつか挙げてみました。
    【一般住宅編】
  • グリルで魚を焼いていたところ、グリル内に付着していた脂分にグリルの火が引火し、出火。
    煙で目を開けていられず、近くにあったタオルなどにも燃え移り、手がつけられない状況になり、やむなく避難した。
  • 火の点いたたばこを灰皿に載せたまま忘れてしまったため、暫くして落下し、床に敷いてあったカーペット等に着火し燃え広がった。異臭で気づいたが、そのときは壁にまで火が燃え移っていた。火を消そうにも、有毒ガスが充満しているため咳き込んでしまい、近寄れなかった。
  • ストーブの上にナイロン紐を張り洗濯物を干していたが、暖まった空気が上昇し、洗濯物が風に吹かれたような状態になりストーブの上に落ち、衣類等に着火し、燃え広がった。
    居間だったため、可燃物が多く置いてあり、それらに燃え移ってしまっていた。発泡スチロールなどの石油系製品に燃え移ったため、黒煙で視界が妨げられ、消火活動を満足に行えない状況で、そのまま天井まで炎が燃え広がった。
  • 室内犬の暖をとるため電気ストーブを着けたまま外出したところ、台所の椅子に掛けてあった衣類を室内犬がじゃれ遊び電気ストーブに被せたため着火し、出火。
    帰ってきた際に炎はさほど広がっていなかったが、有毒ガスが充満していたため、呼吸ができず消火できなかった。
  • 居間に設置していたエアコンの配線をネズミがかじり、出火。
    異臭で気づいたが、居間に入ったところ、壁が燃えていた。消火を試みたが、煙が充満していた視界が狭く、十分な消火活動が行えなかった。
  • アロマキャンドルに火をつけ、室内の床上に置いた状態で外出したところ、同キャンドルの火が付近に置いてあったダンボールに接炎して、出火。帰宅した際、床の絨毯が燃え、黒煙を発していた。黒い煙と炎とで恐怖し、避難した。
  • 蚊取り線香に火を付けて押入のそばに置いていたところ、小窓から風が入り、押入から垂らしていた布製カーテンが風で揺れ、蚊取り線香に接触したため着火し、押し入れに燃え広がった。
    押入れに収納してあったプラスティックケースや化繊の衣類から大量の黒煙と有毒ガスが発生し、近づくことができなかった。
  • ここに挙げたのは、消火できなかった事例の一部です。
    これらの多くは防毒・防煙マスクがあれば、初期消火活動を行い、鎮火させることができた可能性の高い事案です。
    防毒・防煙マスクがなければ火災現場にすら近寄れない結果に終わってしまう場合でも、防毒・防煙マスクにより視界と呼吸が確保されていれば十分に消火活動を行え、被害を最小限に食い止められた可能性があった事例は多々あります。
    【オフィスビル・工場編】
  • 給湯器内部が腐食して孔があき、そこから熱気が噴出したため外壁への熱気で着火。炎は大きくなかったが有毒ガスがひどかったため現場に近づくことができず、従業員は全員避難することに。
  • 温水洗浄便座の本体と便座をつなぐ電気配線の一部が断線し、そこから出火。トイレは狭いためあっという間に煙と有毒ガスが充満してしまった。幸いトイレに人がいなかったので死者は出なかったが、もし人がいれば死亡していた危険があった。
  • オフィス内で使用していたファックスの電源コードが長年にわたりファックス台のキャスター等に踏みつけられていたため半断線状態となり通電中に発熱し、出火。近くにあったファックス用紙やカーテンに燃え移ってしまった。夜だったため人が少なく、気づいたときには黒煙があがっていた。
  • コンピューター(サーバー)室の天井が漏水し、設置されていたコンピューターのモニターに水がかかりスパークし、出火。サーバーがダウンしたことで気づいたが、そのときは煙と有毒ガスでサーバー室には入れず、入り口付近から消火器を使って消火を試みたが、全く役に立たなかった。
  • 海産物加工会社の製品倉庫で、缶詰をパレット上に並べフィルムでまとめ上げる音フラパック機のヒーターとフィルムが接触し、着火。その日は倉庫に人がいなかったため、気づいたときには製品倉庫内に煙が充満し、状況の把握すら不可能だった。隣にあった工場も焼失。
  • 化学製品工場で、点検が終了したプラントの運転を再開するため、仕切り弁を抜き取ろうとした際オイルが流出し、発火。あっという間に炎が拡がり、有毒ガスを含んだ黒煙が立ち上った。逃げ遅れた階下の従業員が死亡。
  • オフィスや工場は、一般住宅と異なり、建物規模が大きいこと、関係者の人数が多いことから、火災が発生しても覚知が遅くなりがちで、発生する煙や有毒ガスの量も一般住宅とは桁違いです。
    そのような状況で、初期消火活動を確実に行い、あるいは安全に避難誘導するためには、フルフェイスタイプの防毒・防煙マスクが必須です。